先日、札幌市円山動物園を訪れた際、アムールトラのトート(オス/4歳)が、まさに主役級の活躍を見せてくれました。力強さと、どこかユーモラスで愛らしい仕草が絶妙に同居していて、気づけば時間を忘れて見入ってしまっていました。
円山動物園「寒帯館」のアムールトラ舎
トートが暮らすのは、円山動物園の「アジアゾーン」内にある「寒帯館」。
「生息環境展示」と呼ばれる方式が取り入れられており、自然に近い暮らしぶりを間近に感じられる工夫がされています。
トートの展示スペースでは、シベリアのタイガの森に似せてできるだけ再現されているそうです。
生い茂った緑、倒木、水辺などが巧みに配置された展示スペースでは、トラが本来過ごす極東ロシアの森を思わせる風景が広がっており、観覧側との距離感も絶妙。
トートって、どんなトラ?


トートは、2021年2月17日生まれのオス。
2022年10月に浜松市動物園から札幌市円山動物園にやってきました。
まだ若さが残る4歳ですが、堂々とした体格と鋭い眼差しには風格があり、その一方で無邪気な姿もたびたび見せてくれる“二面性“が魅力です。
サービス精神旺盛なトート
この日も、トートは来園者の期待に応えるかのように、さまざまな姿を披露してくれました。
私が訪れたときは、展示スペースを悠然と歩き回る姿からスタート。
その歩き方は、まるでこの空間を完全に自分のものにしているかのような、自信に満ちたものに見えました。

屋内展示スペースと屋外放飼場を行ったり来たりするトート。
ガラス越しに見るその姿が大きく、圧巻です!
たまに目が合うような瞬間もあり、ドキドキ。
好奇心旺盛と言われるトートですが、ガラス越しに見える「ヒト」をどう感じているのかはわかりません(笑)
それでも何度も往復するたびに見せてくれる威厳のようなものに感動です。

雨の日は傘をとじて
書いていて思い出したので、トートを観覧する時の注意点を・・・

寒帯館の建物に向かう途中、こんな注意書きがありました。(写真はある雨の日)
トートがいる寒帯館へのアプローチ脇にはアムールトラの屋外放飼場があり、緑の中を歩くトートを観覧する方が多いのですが、この時、傘をさしているとトートがびっくりしてしまうとのこと。
もし雨が降っていたら、そっと傘を閉じて屋内から観覧するのがよいでしょう。