前回のブログ記事「【札幌散歩】北海道神宮と開拓の歴史を歩く| 円山公園ルートで感じる札幌の原点」では北海道神宮のはじまりについて書きました。
その北海道神宮の敷地内に「開拓神社」があります。
札幌のまちづくりの最前線にいた開拓使判官:島義勇(しま よしたけ)や、北海道の発展に尽くした先人たちの偉業を讃え、その志を後世に伝えるために建立されたものです。
今日は「開拓神社」について書いていきますね。
歴史と由緒
開拓神社は、1938年(昭和13年)、北海道開拓70周年を記念して創建されました。ここには、北海道の近代化に大きく貢献した37人の功労者が神として祀られており、北海道の歴史を語る上で欠かせない人物たちが名を連ねています。松浦武四郎や黒田清隆、依田勉三といった開拓の指導者たちの精神が、今もなおこの地に息づいています。
ご利益と祈願
開拓神社は「開拓」の名のとおり、新たな道を切り拓こうとする人々に力を与える神社として親しまれています。事業の発展や仕事運の上昇、困難への打開といった願いを込めて訪れる人も多く、特に起業家やビジネス関係者からの信仰が篤い神社です。
また、商売繁盛、健康祈願、心願成就、家族の安全、厄除けなど、幅広い願いごとに対応しており、多くの参拝者が祈願札を納めに訪れます。
鳥居からすぐ左側に見える納札所で祈願札(初穂料は300円)に名前と年齢を記入して納めると、奉納された祈願札は例祭に合わせてお焚き上げされます。
年に一度の例祭と豪壮な神輿渡御
毎年8月15日には、開拓神社の例祭が行われます。この日は、旧「蝦夷地」が「北海道」と命名された記念日でもあり、北海道の誕生日とも言える大切な日です。
例祭では、奉納行事や神事のほか、地域の子どもたちによる神輿担ぎなどもあり、地域の人々とのつながりを感じさせる温かな雰囲気に包まれます。
さらに2年ごとには、国内でも最大級と言われる大神輿が札幌市内を巡る「大神輿渡御」が開催されます。高さ約4メートル、重さ約4.5トンにもおよぶこの大神輿を担ぐのは、約400人の有志たち。勇壮な掛け声とともに街を練り歩く様子は迫力満点で、まさに札幌の夏の風物詩となっています。
この大神輿は6月の札幌まつりとは別なので時期を間違えないようにしましょう。
アクセスと周辺環境
開拓神社へは、地下鉄東西線「円山公園駅」から徒歩15分ほど。緑に包まれた北海道神宮の一角にひっそりと佇むその姿は、訪れる人の心を穏やかにしてくれます。
隣接する円山公園は、四季折々の自然美が楽しめるスポット。春の桜、夏の青葉、秋の紅葉、冬の雪景色と、どの季節にも異なる魅力があります。北海道神宮本殿と合わせて参拝することで、より深い敬意と感謝を捧げることができるでしょう。

開拓神社は、単なる参拝の場ではなく、北海道という地に生き、未来を切り拓こうとする人々の背中を押してくれる存在です。札幌に訪れる際には、ぜひ立ち寄り、先人たちの志に触れてみてはいかがでしょうか。